「遠くなったなぁ」、HCR2023で考えたこと

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我が国最大規模の福祉機器展

 9月27日、国際福祉機展(Interenational Home Care and Rehabirilitation Exhibition ,H.C.R.)に行きました、我が国最大の福祉機器展示会で、今年で51回めです。仕事の関係で、何十年も通い詰めていました。最初は、ちっぽけな手作り感満載な展示会でしたが、高齢化対策で国がドッカーンと施設整備に予算をつけてから、あれよあれよという間にでっかいイベントになりました。メーカーさんの新製品お披露目の場にもなってきて、業界にとってはお祭りイベント。オリンピックによる縮小や新型コロナで縮小、中止を余儀なくされていましたが、去年復活。今回も、東京ビッグサイトの東展示ホールを借り切って盛大におこなっていました。人出も戻ってきていましたよ。まずは、一番、興味深かった製品を紹介しますね。

歩行器の「次世代のスタンダード」に感心、食品系は全滅

 幸和製作所の歩行車「ジセタ(Ziseta)」です。押して歩いて、疲れたら座れて、バッグもついている、アレです。 いわゆるシルバーカーよりも、福祉用具よりで、介護保険でレンタルできるやつです。一般的には、自転車のブレーキみたいなのがついていて、握ると止まるのですが、ジセタはその逆で、ハンドル部に手を置いて体重をかけないと動かないようになっているんです。座る用に、座面をパタンと倒すと、自動的にロックがかかるので、座ろうとした時にずっこける心配がないそうです。うちの母みたいに、何度説明しても忘れちゃう人向けですね。「次世代のスタンダード」にしたいという気概が、ネーミングからもプンプンただよっています。ただ、頑丈にできている分、たたんでも結構大きいので、実家の玄関には大きいかな、、、、。

 歩行車では、パナソニックエイジフリーも力を入れていて、新製品2種類を展示、結構な人出をかけて来場者に説明していました。一台は、家の中で使うタイプで「カジサポ」。トップは「お盆付き」。お茶碗やコップを直接乗せて運ぶそうです。お盆は荷物入れの蓋。食器をのせたら、中身が出せないじゃない、と思いきや、引き出し式になっていて、手前にいれたタオルやらメガネやらは取り出せます。高齢者住宅などで需要があるのでしょうね。

 もう一つの外出用は、「カウサポ」。スーパーの買い物かごが乗せられるのがポイント。カゴを乗せる位置をスーパーのレジの高さに合わせているので、移し替えがスムーズにできるそうです。こまかなところで差別化してきてる感じでした。

 希望小売価格は、ジセタ5万9800円。カウサポは8万1000円。げっ!高い! 歩行車は、介護保険レンタルなら1割負担で月数百円。普段はあんまり値段は意識しないけれど、自分のお財布から出すとなると結構なお値段です。

国際福祉機展は、昔はユーザー向けでしたが、今は、介護保険のレンタル品や施設向けの業務用品がほとんどで、ユーザー目線でみると、見るべきものは少なかったです。硬いものがたべられなくなった母に役立つ情報がないかとわざわざ行ったみたのですが、食品系は全滅。ほとんど出展がなく、残念でした。

介護保険事業者向けが中心で、ユーザーからはさらに遠く

 ちなみに、そんな私がつい購入してしまったのは、ピジョンの「もしもしフォン」。プラスチック製の糸電話のようなものです。私の他にも、食いついているおじさまがいたので、耳が遠い人とのコミュニケーション問題はそのご家庭でも切実なのではと思います。ただ、残念ながら、会場での商品の販売はできなくないということで、その場でアマゾンでポチりました。アイデア商品みたいなのが、その場で買えた昔が懐かしい、、、。業界人を辞めて、一般人に戻ったせいかもしれませんが。大好きな展示会でしたが、一抹の寂しさを感じながら帰宅しました。

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